20180423 4月こと座流星群を撮る-揖斐谷-


20180423 01時19分撮影




 昨夜まで快晴の夜が4日も続いた。この季節としては珍しいことだ。よりにもよって「4月こと座流星群」極大を前に息切れするとは、運命の悪戯か。

 22日夕方前から雲が広がりはじめ、気象予報によると極大時刻は雲の中らしい。
 昨年8月のペルセ群に続いて、ソニーストア名古屋から参加を得て揖斐谷で4月こと群撮影に臨む予定は中止。私はだめだったら諦めて帰宅すればいいけれど、何時間もかけて車で戻らなければならないことを考えると、計画はつくづく難しいと思う。

 先週14日に「SONY αアカデミー」で「4月こと座流星群撮影講座」をさせていただいたが、セミナーで力説したのは「粘ってなんぼ。粘っても撮れるとは限らないが、粘らなくては撮れない」ということだった。極大予想時刻には月はなく、ここ数年では最良の条件だけに雲を見上げてはため息をつくしかなかった。

 22時に山へ上がり、とりあえずポータブル赤道儀をセットする。北極星など見えるはずもなく、コンパスを頼りに磁気偏角を合わせる。空を見上げると、雲量9。雲量8でも「晴れ」らしいが、さすがにこれでは晴れとはいわないだろう。ともかくカメラを赤道儀に据え付け、シャッターを切り始める。といっても写るのは雲だけ。シートを敷き仰向けに寝転がって、毛布にうずくまりラジオを聞く。
 「粘ってなんぼ」と力説した以上、諦めるわけにはいかない。しかしいくらなんでも、雲の無い1割の空間に流星が飛び込むわけもなく、出るのはため息だけ。

 しかし2時間半雲だけを眺めていたら、0時半を過ぎた頃から雲が切れ始めた。まさかと思って北天を見ると、雲の隙間から時折北極星が見える。ダメ元でやってみるかと、2軸タイプの赤道儀をセットし始める。雲の隙間から顔を出す北極星を頼りにセットを終えると、こちらも撮影を開始した。これで2台体制。暗い流星がいくつか流れるたびに音声電波時計のボタンを押して時刻を確認しメモをする。あきらかに4月こと群の放射点から流れる流星の他、散在流星も見られた。

 上の画像は01時19分。中央はこと座の1等星ベガ。群流星である。
 流れた瞬間「あぁっ」と声を上げ、しばらく呆然としてから慌てて時刻を確認する。

 夜明けまで撮り続けたので画像確認はこれから。
 セミナーに参加された皆さん、撮れたかなぁ。撮れているといいなぁ。
 流星群撮影は初めてという方もいらっしゃったから、1つでも撮れるのと全く撮れないのとでは雲泥の差。

 今年は8月のペルセ群も好条件。極大時刻は昼間だが、前後の夜に月はない。諦めずにぜひ挑戦していただけることを願っている。

                                       (篠田通弘)