北アルプスに沈む夏の天の川



SONY α7M3+TAMRON 17-28mm F/2.8 Di III RXD (Model A046)。
2019年11月24日21時22分〜撮影。
17mm、ISO1600、f/2.8開放、60秒露光×4枚+60秒露光×1枚、長秒時ノイズリダクションoff、高感度ノイズリダクションoff、PRO1Dプロソフトン(A)使用、
ポータブル赤道儀で恒星追尾撮影(4枚)+三脚で固定撮影(1枚)、後処理としてダークノイズ減算。





栂池高原に今月末リニューアルオープンするホテル・グランジャム栂池様へ館内展示用写真額をお届けした。
ホテルではオープンを控えて、工事が急ピッチで進んでいた。
A2アルミ写真額を中心に計13点を納めさせていただいた。ウインターシーズンにご利用の際はぜひご覧いただけると幸い。


さて帰路につこうと大町市まで戻ったものの、夜になって晴れてくるとの予報。
せっかく月がない時期なので、マクドナルドで数学を勉強しながら時間をつぶしてから白馬村へ戻ることにした。
往復700キロすべて下道を走ったので、さすがに疲れる。疲れたら、マクドナルドを探して勉強。100円のコーヒー1杯で1時間ほど勉強してからまた走る。疲れたら勉強ってどうなのと思いながらも、結構目が覚めるから不思議だ。
貧乏生活のため2泊とも車中泊。特に往路は写真額を積み込んだ軽自動車で寝るのは限界に近かった。
ちなみに今乗っている軽自動車は3年半で11万キロ走っている。その前のレガシーは10年で30万キロの走行距離で廃車にしたけれど、今乗っている車はそこまでは無理だろうな。

この日の昼間はかなり気温が上がったので、夜になっても靄がかかったように透明度は良くない。
これで深夜過ぎになると、霧となって谷底に漂うようになる。それは素晴らしい景色だけれど、間もなく沈もうとする夏の天の川が撮れなくなってしまうので、やむを得まい。
気温が下がり、湿度も高いため、結露がひどい。季節が進むとやがてこれが凍り付くようになるのだ。

右から白馬岳、杓子岳、白馬鑓ヶ岳と連なる白馬三山に夏の大三角が沈もうとしている。
下に白馬山麓の街明かり。
まだゲレンデに雪がないので、街明かりの照り返しが少ないのは幸運だった。





使用した赤道儀はオルゴール赤道儀「MusicBox EQU」。
一見すると玩具のように見えるが、十分実用になる優れもの。
極軸望遠鏡はなく、素通しの極望を北極星に向けるだけだが、ウオームホイール・ギヤは直径160mm / 288 歯相当という大型赤道儀にも匹敵する歯車の部分を用いているため、極めて正確に回転する。

動力はゼンマイの力だが、強力に駆動する。なんと言ってもバッテリー不要というのがいい。
欠点は実質5分程度しか使用できず、撮影の前にたえずネジを巻かねばならないこと。流星群撮影のような用途には不向きであるし、動いている間はキラキラ星も鳴り続ける。中を開けて音を止めようかとも思ったが、1曲がほぼ30秒なので、駆動の目安になるので、デフォルトのまま使用している。

撮影データを元に追尾性能をチェックしたが、立派なものだ。50mmの標準レンズ程度なら4分間程度は使用できるように思う。
少し使い込んで、機会を得て紹介したい。


                                                         20191126 篠田通弘