SONY FE 24mm F1.4 GM で星空を撮る
-2018年11月 揖斐谷-



FE 24mm F1.4 GM は10月26日に発売されたばかりの単焦点レンズ。
発売日はあいにくの満月期で星空を撮ることもできず、この日ようやく持ち出すことができた。
半月を割り込んだばかりの月がまもなく上る。
自宅付近の山まで戻る時間もなく、町明かりに照らされた都市近郊の山へ上がった。

α7M3 + FE 24mm F1.4 GM をポータブル赤道儀にセットして撮影を開始する。
24mmという焦点距離は星空撮影の標準レンズと考えている。セミナーでは皆さんに「もし登場するとしたら星撮影の定番レンズ」と強くオススメしてきただけに、少しの不安を抱えながら撮影を開始。
しかし最初の1枚で心配は杞憂に終わった。
驚くほどの描写だ。

星空撮影で使用できるかどうかは、周辺に鳥が羽を広げたようなサディタルコマ収差が見られるかどうかにかかっている、と思う。やっかいなことにこの収差は絞っても劇的には解消しない。
結果は下の写真の通りで、開放でもほとんど無いといってよい。これだったら積極的に開放で使いたいと思える、驚くべき性能だった。
レンズの質量はわずか445g。耐荷重制限が厳しいポータブル赤道儀との相性は良い。
SONY Eマウントの最高峰 GM の名を冠する待望の広角単焦点レンズの登場に、深夜の山中で一人興奮した夜だった。

外気温は6°と低いためα7M3のダークノイズもほとんど無い。
月が昇るまでのわずか1時間。ノイズリダクションはすべてoffで撮り、念のため最後にダークフレームを取得しておく。
さすがに周辺減光は目立つので、レンズ補正は必須。
Photoshopの Camera Raw のレンズ補正データがまだ提供されていないので、暫定的な画像処理。
どちらにしてもこんなに町に近い山では、深夜とは言え光害が酷くてどうしようもない。空気の透明度の高さに助けられている。
これから新月に向かっていくので、撮影の機会は増えてくるだろう。

いいレンズと出会えた。

                                             (20181102 篠田通弘)







2018年11月1日23時35分撮影
ISO800、f1.4、15秒、長秒時ノイズリダクションoff、高感度ノイズリダクションoff、赤道儀使用。
4枚画像を加算平均コンポジット処理、α7M3。






2018年11月1日23時46分撮影
ISO400、f1.4、30秒、長秒時ノイズリダクションoff、高感度ノイズリダクションoff、赤道儀使用。
8枚画像を加算平均コンポジット処理、α7M3。