SONY α7RMUで星空を撮る




SONY α7RMUで星空を撮る−その1−





SONY α7RMUで星空を撮る−その2−


【はじめに】


ポトレ撮影に SONY α7RMUを使用する機会を得た。

ポトレ撮影本番まではまだ数日あるな、と思いながら夜空を見上げると満天の星空。星景写真での使用感を確かめたくて、急いで近くの山へ出かけた。

外気温は3度。凍える寒さだったが、空気の透明度は高く、澄んだ星空に覆われていた。

GPV気象予報によると薄雲が広がってくるらしい。本格的な赤道儀をセットする時間的な余裕もなく、ポタ赤のみで極軸を合わせ、機材をセットし、レンズにヒーターを巻き付ける。

今回使用機材はカメラ本体が SONY α7RMU、レンズが GM24-70mm f/2.8。高感度に特化したα7SMUは今年のヒメボタル撮影で使用する機会があり、写真教室で画像と共に印象を紹介させていただいた。

詳しくは来年のヒメボタル写真教室でも紹介することにもなるだろうが、撮影対象が暗所だけに、さすがという印象だった。ヒメボタル撮影で α7SMU を使用した印象では、同機の高感度性能と豊かな階調は画素ピッチの余裕によるところが大きいと思えるものだった。さてα7RMUはどうか。

α7RMUは35mmフルサイズ裏面照射型の有効約4240万画素CMOSセンサー、現行フルサイズデジタル一眼カメラの中では高画素機に位置する。一般論としては、高画素機は画素ピッチが細かくなる分、高感度は不得手といわれているが α7RMU 、はたしてどうか。

まず驚いたのは、その軽量である。ポタ赤は積載重量制限が厳しいので、常用レンズである NIKKOR24-70mm E をポタ赤で使おうとは思わない。それに比べて本レンズは、はるかに軽量。カメラ本体と合わせても5sの制限を余裕でクリアし、稼働に全く問題はなかった。



【作例について】


残念なことにケーブルレリーズがないので、30秒露光が限界。上の画像は、24mmで撮影、ISO感度を3200、F2.8開放、30秒露光、カメラ内でダークノイズ減算のみ処理。

通常の星景写真ではもっと低感度で長時間の露光を行い、加算平均でコンポジット処理をする。今回は高感度の1枚画像だけにノイズを心配したが、実に見事な描写である。背面液晶モニターで1枚目を再生した時は、思わずうなってしまった。高感度ノイズリダクションをoffにしているのは、微光星を消したくないからであるが、ISO3200という高感度でもノイズ感は全く問題なかった。

画像はPhotoshopでトーンカーブ調整、ビネッティング処理を行っている。
−その1−はそのまま、−その2−はプロソフトンAフィルタ(A)を使用。

−その1−のフィルターなしの画像は、非常に見事。開放にもかかわらず、周辺のサジタルコマ収差も皆無。これでもかというくらいに星を写し込んでいる。「星降る夜」はこうでなくては、といった感じだ。また、GM 24-70mm の素性の良さがわかる。おそらく高精細な α7RMU を生かすための、ベストマッチとなるのだろう。

−その2−のフィルターを付けた方は、明るい星が強調されて、カシオペア座が見事。秋の銀河とのコントラストも鮮やかだ。

どちらもアンドロメダ銀河が写し込まれていることに気づくと思う。
4240万画素は伊達ではなく、等倍で見るとアンドロメダ銀河の姿がよくわかる。



【おわりに】


できるならば、
7RMUと 7SMUを同時に使用して、星景・星野写真における両機種の比較検討をしてみたい。
などという、贅沢な想像をたくましくした夜だった。

最後に機会を与えていただいたことに感謝する次第である。