20150314 沈みゆく冬の星座−揖斐谷−
雨上がりの昼、山々を見上げると異様な光景が広がっていた。
一瞬霧かと見間違えた杉の花粉。
雲霞の如く押し寄せていた。
夜になって飛散も収まると、この時期としては比較的澄んだ星空が広がった。
月が出るままでのわずかな時間、いつもの場所へカメラを据えた。
黄砂が町明かりを拾って、少しぼんやりしているのはやむを得まい。
西の山際に、ふたご座のカストルとポルックスが沈もうとしている。
その左下はプロキオン、右の樹間にカペラ。
冬のダイヤモンドのうち、最後の3つが沈む。
ひときわ明るいのが木星。
その上に獅子の大鎌。
左上に春の大三角の1つ、デネボラが見えている。
右に北斗七星。
色とりどりの星たちが美しい。
2015年3月14日23時47分撮影。
Nikon D800 + AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G
ED。
ISO400、f2.8、3分、プロソフトン(A)、赤道儀使用、
2枚画像を加算平均でコンポジット処理。
このところお気に入りで使っている20/1.8。
星景撮影の場合f2で使うことが多いが、どうしても四隅のサディタルコマ収差が目立ってしまう。
それもレンズの味には違いないが、f2.8まで絞り込むとあまり気にならなくなる。
赤道儀の性能からして露光時間はもっと長くできるが、
長時間の撮影に耐えられるよう、寒さ対策に気合いを入れねば。