20110130 奈良春日大社神体山、御蓋山登拝−第24回山の考古学研究会−


御蓋山(みかさやま)は、承和8年(841)に狩猟・伐採が禁止されて以来、春日大社の聖域として立ち入りが禁止されてきた。
今回の研究会の第1日目は、特別に立ち入りが許可された御蓋山への登拝・踏査。

まず春日大社宝物館を見学後、春日大社周辺で採集された遺物を実見。御蓋山登拝後は、春日大社にて研究会。
研究会の詳細は次の通り。

○「春日の祭祀土器について」 池田裕英氏(奈良市埋蔵文化財調査センター)
○「奈良市春日山の香山堂」 廣岡孝信氏(奈良県立橿原考古学研究所)
○「春日山周辺の遺跡について」荒井清志氏(春日大社)

第2日は森下恵介氏(奈良市埋蔵文化財調査センター、研究会会長)の案内で
春日奥山踏査。
こちらも自然遺産に指定されているため、通常は立ち入ることが出来ない。
残念ながら第3日目は欠席したが、引き続き春日奥山踏査の予定が組まれていた。


さて、御蓋山といえば阿倍仲麻呂(698〜770年)を忘れることはできない。

「天の原 ふりさけみれば 春日なる 三笠の山に いでし月かも」

百人一首にも選ばれているこの歌を知る人は多いことだろう。
帰国が果たせないまま唐で生涯を閉じた仲麻呂にとって、御蓋山とはどんな山だったのだろうか。