後立山連峰から出現したISS(国際宇宙ステーション)
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撮影場所 長野県白馬村
撮影日時 2008年5月21日20時26分08秒〜20時29分45秒
撮影機材 Nikon D300 + Tokina AT-X 124 Pro DX 12-24mm F4(12mmで使用)
撮影データ ISO200 f4 217秒露光 Raw 三脚使用
ISSの第二弾は、偶然にも前回と同じ白馬村で撮影することとなった。天候は晴れ。ただし、どんよりしていて、前回のような澄んだ青空とはいかない。おまけに、観測に好都合の通過が、計算では20時26分。この前のような早朝ではないため、自動車の明かりが邪魔。仕方なく、山の上の展望がきくところへ上がって夜を待つことにした。日の入りは18時52分と遅いため、いつまでも空に明るさが残っていた。20時を過ぎた頃からようやく暗くなってきたと思ったら、今度は町明かりが猛烈にまぶしい。おまけに月の出が20時18分で月齢はなんと15.6。これでは明るすぎる。なかなかうまくいかないものだ。
今回の通過は、見え始めの方位が228度で、仰角13度。仰角最大が89度だから、ほぼ天頂を通過することになる。撮影場所さえ選べば、後立山連峰からISSが出現し、天頂にまっすぐ進むはず。こう予測して、念入りにロケーションをチェック。前回の教訓を生かしてクリノメーターで出現方位と、仰角を確認。磁北との偏差を考慮すると、鹿島槍ヶ岳から五竜岳の間ぐらいから出現すると予測。はたしてうまくいくか。
時計を睨んで、20時26分過ぎに露光開始。南西の空はよどんでいるようで、目視できるか心配したが、はっきりと出現を確認。ちょうど鹿島槍と五竜の間だ。35mm換算で18mmの超広角を縦位置に使用したため、ほぼ天頂まで被写界に入る。天頂に近づくにつれ、輝度を増してやがて北東の山へ沈んでいった。ISSまでの見え始めの直距離が1140qに対して、仰角最大の時は346キロメートルまで接近していたわけだから、明るいはずだ。
さて、この日も当然ながら無人。町明かりが残念だったが、機会があればこの次は高い山の稜線から狙うこととしよう。
もう一つ、この日の星野で特筆すべき事は、火星とかに座のM44プレセベ星団との最接近を2日後に控えていることだ。あいにくどんよりした西の空だったが、あとで見直してみるとちゃんと写っていた。ISS撮影後に望遠レンズに付け替えて火星とプレセベ星団を狙ったが、すでに反対の空には明るい月が出ているという悪条件だった。ガイド撮影ができるような機材の持ち合わせがあるわけでもないが、興味は尽きない星の世界ではある。