2003年10月4〜5日
長野県茅野市美濃戸口より
今日の行程は行者小屋までの3時間少々ということでいつもの山行きと違って朝7時の出発とのんびりできる。諏訪南ICを下りてしばらく走ると目前に八ヶ岳連峰が見えてきた(10時46分、写真左)。美濃戸口の駐車場に車を止め出発の準備をしていたところに定期バスが到着し、大勢の登山客が下りてきて三々五々出発して行った。我々もそれに続く(写真右、11時22分)。驚くことに高年男性グループが目につく。人数は多くても賑やかなおばさんグループと違って静かでいいかも。 | |
案内看板に従い左手の林道を美濃戸を目ざし歩き始める(写真左、11時22分)。この1時間の林道歩きで既に汗がジンワリ出てくる。「寒いかも」という思いでちょっと厚着をしてきたのが裏目にでた〜。林道歩きにうんざりした頃に、やまのこ村の建物が見えてきてそろそろ終点の美濃戸到着(写真右、12時9分)。 | |
大勢の登山客が休憩する美濃戸山荘前で昼食を食べ終わり、北沢へ行く団体を見送った後、我々は行者小屋へ行く右手南沢ルートを歩き始める(写真左、12時30分)。いきなり現れた半分朽ち果てかけの不安定な木の橋(写真右、12時37分)。今回の山行きで一番怖かったところ。 | |
白河原手前頃からあんなに暑かったのがウソのように急激に気温が下がり始め、寒くなり手袋を取り出してはめて歩く。下山者も冬のいでたち。吐く息も白くなり空模様も怪しくなってきた頃、行者小屋に到着(写真左、14時35分)。夕方は夕日に染まる真っ赤な八ヶ岳を撮影しようと思っていたのにこの様子じゃ無理なので下の食堂でのんびりする。小屋の中はストーブが焚かれ暖かく、みんなが窓越しにガスの切れ間から時折見える赤岳の姿に感嘆の声を漏らしている。今日は時間がたっぷりあるので超近代的な山小屋の中を散策してみた。二階の大部屋も二人で1スペースがあてがわれ、大きなカーテンがあれば半個室のようなもの。トイレも環境を考えてのきれいな水洗。小屋の屋根はソーラーパネルで覆われている。食事も大きな6人で囲むテーブル。畳敷きで座布団まである。どう見ても山小屋とは思えないほどりっぱだ(写真右)。 | |
一夜明け、昨日は姿を現さなかった赤岳や大同心・小同心が見えているがくもり空だ(写真左、6時17分)。行者小屋裏手の標識に従い樹林帯の中、地蔵尾根ルートを行く(写真右、6時28分)。 | |
しばらくすると美濃戸中山越しに諏訪盆地が見え始める。盆地はガスに覆われている(写真左、6時45分)。地蔵尾根は稜線近くになるとハシゴ・鎖場が出てくるが、いずれもしっかりしていて右手に阿弥陀岳を見ながら軽快に歩く(写真右、7時10分)。 | |
赤岳が大きく見えてくるとそろそろ稜線も近い。気付けば青空が広がってきた。もっともっと広がれ青空!!(写真左、7時24分)。地蔵の頭に到着。お地蔵さんがお出迎え。向こうは横岳(写真右、7時32分)。 | |
地蔵の頭到着を出迎えてくれたのはお地蔵さんだけでなかった。それは雲に浮かぶ富士山(写真左、7時35分)。取り敢えず赤岳天望荘をめざして歩く。大勢の人が頂上を目ざし列を成して歩いているのが確認できる。頂上狭いのに大丈夫かな?(写真右、7時45分)。 | |
赤岳天望荘から頂上までの比高差179m。鎖もあるが登りは四つんばいになって一気に登ってしまう。途中の岩場で後ろ向きになったままで下りるに下りられないでいる半ベソ状態の女性を見かけた。単独行らしく一人気の毒。そう言えば、今日は男女問わず単独行の人をよく見かける。頂上山荘前の広場から、今来た地蔵尾根と横岳方面を振り返る(写真左、8時20分)。頂上は目と鼻の先なのでカメラだけ持って足取りも軽く急ぐ(写真右、8時21分)。 | |
赤岳頂上到着。シャッターチャンスを狙うが途切れることなく登山者が登ってくる。これでも団体が下山し頂上がちょっと広くなった(写真左、8時26分)。秋空が広がり頂上からは見事360°の大パノラマ。南アルプスが見える(写真右、8時29分)。 | |
槍・穂高から後立山連峰、頸城山塊まで見える。頸城山塊までは実に100qの距離があるという(写真左、8時38分)。頂上山荘前でコーヒータイムにする。のんびり山行と決めたら後はこのパノラマを堪能しよう。行者小屋で一緒だった単独行のおじいさんが今日は硫黄岳山荘まで行くと言って山荘を後にする姿を見送った。ヘルメットを被ってマイペースで歩く先輩山人にエールを送りたい。主稜線の東側からは少しずつガスが上り始めた(写真右、9時48分)。 | |
往路と同じ道を行者小屋へ向かう。地蔵尾根を登ってくる人たちの姿が見える(写真左、10時10分)。途中で清掃登山をしてみえるパトロール隊の人たちとすれ違う。頭が下がる。行者小屋へ戻って乾杯の生ビールを飲む。売店ではラーメンやおでんまでが売られている。下界の観光地と何ら違いがないのに面食らってしまう。四半世紀昔の小屋の面影を思い出せないまま行者小屋を後にする(写真右、11時52分)。 | |
昨日は何も見えなかった白河原で赤岳の最後の姿を目に収める(写真左、12時00分)。同じく白河原で大同心と紅葉した木々(写真右、12時08分)。 |