20020721〜22後立山連峰五竜岳

2002年7月21日、22日
長野県白馬村より

今朝は朝6時まで落雷と激しい雨が続きいていた。昨年霧の中だった五竜岳山頂。今年こそは五竜岳から鹿島槍ヶ岳を望みたいという今回のもくろみ。明日の方がよいという天気予報を信じて出発する。今回はゴンドラを利用する。昨年は黒菱平まで林道を車で上がったため、ゴンドラとアルペンリフトは初めてである。乗り場には早朝からたくさんの列ができていた。八方尾根のゴンドラ「アダム」とアルペンリフト、グラートクワッドと乗り継いで、八方池山荘に着く。山荘へ登山届けを提出してから歩き始める。ここまで小雨が続いていたが、少し晴れ間がのぞく。写真は7時57分、雲に隠れた白馬三山。
8時05分。八方尾根自然研究路の木道を歩く。濡れていて、少し滑りやすい。行く手左には鹿島槍ヶ岳と五竜岳(右)がわずかに見え始める。
8時15分、八方池の直上に出る。八方池畔には昨晩八方池山荘に宿泊した人が、早朝のトレッキングに訪れていた。八方池に浮かぶ白馬三山の姿は、残念ながら見ることはできなかった。
8時58分、扇雪渓に着く。雪渓に残る雪の量は、昨年の同時期と比べて多い。そのせいか、雪解け直後に見られる花もたくさん咲いているように感じられる。雪渓には早朝、唐松岳頂上山荘から降りてきた人が休憩する姿が見られた。
9時21分、丸山ケルンを過ぎたあたりで思わぬ雪渓歩きとなる。雪渓には赤いトレースが引かれている。唐松岳頂上山荘から降りてきた人に昨晩の混み具合をたずねると、たたみ1畳になんとか1人といった様子だったらしい。海の日ができてから、この日は「山の日」と化している。
10時37分、唐松岳頂上山荘に着く。一面ガスの中で、唐松岳頂上は残念ながら見えない。昨年4度も踏んだ唐松岳頂上。今回の目的はあくまでも五竜岳、昨年のリベンジである。唐松岳山頂はパスして五竜山荘へ向かうこととする。そうと決めたら、ここで腹ごしらえ。山荘の生ビールは、これからの行程を考え今年もあきらめる。
11時00分、牛首の嶮の鎖場を通過中。振り返って1枚。幸い岩場が乾いていたが、濡れていたらさらに注意が必要だ。いつの間にかガスは晴れかかっている。
11時01分、牛首の嶮から行く手の大黒岳を見る。五竜岳は雲の中。マークをはずさないように、慎重に通過する。
11時18分、大黒岳。長野県側からはガスが吹き上がっているが、富山県側は晴れている。青空がまぶしい。
牛首の嶮の岩場から、ガレ場、そしてザレ場へと登山道は続く。この道のりは、ともかく長く感じられる。13時19分、白岳をひたすら登る。振り返ると、唐松岳が見える。このあたりの尾根には非対称山稜の特徴がよく現れている。
13時35分、五竜山荘が目の前に突然姿を現す。五竜岳はあいかわらず雲の中。明日の五竜岳に期待しよう。山荘で宿泊手続きを済ませて、早速ビール。これが一番うまい。ちなみにこの日の宿泊客は120人。ちなみに昨日は280人だったとのこと。1日ずらして正解。私の部屋はチングルマの1階で計9名だった。年配の男性がほとんどで、一人だけ30前後の若者がいた夕方近くになって一面のガスに覆われた。夜になると、東の空が激しく発雷した。まるでネオンサインのようできれいだったが、発雷直下の山小屋ではそうはいかないだろう。なおこの日山荘のテレビが故障、気象情報を見ることができず、部屋中が私の携帯ラジオに聞き入った。
夜半、ガスが晴れた。4時頃は満天の星空に、日の出を期待し、山荘前で待つ。4時42分、一瞬朝日を受けて、赤焼けする五竜岳。結局、山荘前では日の出を見ることはできなかった。
5時からの朝食を済ませて、持参したサブのアタックザックのみで五竜岳を目指す。時計の針は5時57分。登山道から見下ろす。昨年は霧中で、すべてが新しく感じられる。
6時20分、目の前に突然鹿島槍ヶ岳の双耳峰が姿を現す。その美しさに何枚もシャッターを切る。デジタルカメラと共に35mmリバーサルでも撮影。
6時55分、山頂着。風が強い。五竜岳山頂から鹿島槍ヶ岳を見る。双耳峰の間には常念岳が顔を出している。いつかは鹿島槍ヶ岳から五竜岳を見たいものだと、また夢はふくらむ。写真は6時59分。
五竜山荘まで戻り、コーヒーを沸かして飲んでから遠見尾根を下る。昨年はこの尾根で雷雨に見舞われた。今年はどうだろうかと心配する。いつの間にかガスが出て、五竜岳山頂はガスの中に隠れている。写真は白岳から遠見尾根を降りる途中の登山道から。
遠見尾根にある西遠見池から鹿島槍ヶ岳を見る。ここを過ぎたあたりで、やはり今年も雨になった。雷がなかっただけよかったというべきか。地蔵の頭に12時に到着した頃には再び青空となった。ここでのんびりとした時間を過ごしてから、テレキャビンで下山した。