20150325 薄雲の向こうに−揖斐谷−



冬の嵐を思わせる強風と激しい雨が過ぎたあと、星空が広がってきた。
月が沈むのを待って赤道儀を据えると、誰の悪戯か薄雲がやってきた。

1年間シドニーへ留学していた姪に、向こうの星空を撮ってくれるように頼んだ。
ウルルまで行って撮ってきてくれたが、コンパクトデジタルカメラで撮ったとは思えない星空が写っていた。
死ぬまでに1度は撮りに行きたいと思ったりするけれど、きっと夢で終わるんだろうな。

星たちの世界は見果てぬ夢と似ている。
そこにあるのだけれど、手が届くことはない。

薄雲の向こうに星空がある。
地球のどこで見るかで、見られる星も違えば星座の形も違う。
でも、タイムラグはあっても、同じ星を見ている人がきっといることだろう。
そう思うと、星たちを残しておきたいという気持ちがわき上がってくる。


2015年3月25日23時35分撮影。
Nikon D4S + AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED。
ISO400、F2.8、2分、8枚画像を加算平均でコンポジット処理。
プロソフトン(A)、赤道儀使用。