201310 未明の県境稜線から望む−揖斐谷−


深夜の県境稜線にヘッドランプをつけて登る。
日付が変わって、もうすぐ月が沈む。
この秋初めての北山時雨のあと、一気に気温が下がったこの夜。
漆黒の闇が広がると、一面の星空が姿を現した。
寒い。

冠山の上に、冬のダイヤモンドが広がる。
直上はおおいぬ座のシリウス。地球から見た恒星の中で、太陽を除くと全天で最も明るい恒星。
ここから時計回りに、こいぬ座のプロキオン。赤く輝くオリオン座のベテルギウス、シリウスとともに冬の大三角を形作る。
その左上にふたご座。下が弟のポルックス、上が兄のカストル。
ポルックスの右側でひときわ明るく輝くのが木星。
その上がぎょしゃ座のカペラ。ぎょしゃ座は将棋の駒の形をしている。
右上がプレアデス星団(和名は昴)。その下がおうし座のアルデバラン。
そしてオリオン座の青白く輝くリゲル。
これを順にたどると、冬のダイヤモンドの完成。
夏に比べて弱く光を放つ冬の銀河も登場して、賑やかな冬の星たちが勢揃いした。

オリオン座の縦三ツ星もくっきり見えている。
横三ツ星とベテルギウスの間にあるのがオリオン座散光星雲M78。
M78といえばウルトラマンの故郷。
ケーブルレリーズを手にじっと空を見上げたが、今日もウルトラマンの姿はなかった。

北半球ではオリオン座は東から上り、南中して西に沈む。そして、冬の大三角はオリオン座の左側にある。
南半球ではオリオン座は北天の星座で、リゲルとベテルギウスの位置が逆転して見えるはず。
従って冬の大三角(南半球は夏なのだけれど)もオリオン座の右側となるはずだ。
僕は実見したことがないが、やがてそんな画像を送ってくれるのではないかと、密かに期待してみたりしている。

Nikon D800 + AF-S NIKKOR 18-35mm f/3.5-4.5G ED。プロソフトン(A)使用。