「立ち止まるとき寒星の無尽蔵」(木村敏男)
−美濃・金生山明星輪寺−

※北海道俳句界の重鎮、木村敏男氏の句を引用させていただいた。

この夜、凍空の澄んだ空気の中、星の光が明星輪寺本堂に降り注いでいた。
赤道儀の極軸望遠鏡で北極星を導入し、すべてのセットを完了してふと本堂を見上げた時、この句が自然と頭に甦ったのだった。

金生山明星輪寺は、虚空蔵菩薩を本尊とする美濃の古刹である。
「虚空蔵」とはサンスクリットの「アーカーシャ」「ガルバ」の訳で、「アーカーシャ」は「虚空」、「ガルバ」は「母胎(蔵)」の意。
無限の宇宙を表す虚空が、なにものにも破壊されることなくすべてにまさっているように、無限の知恵と慈悲を持ち、それらにより衆生に幸福を授ける、それが虚空蔵菩薩である。
開山と伝えられる役行者もまた、ここで無尽蔵の星を眺めたのだろうか。
星野赤道儀使用、コンポジット処理、4分間露光時間相当。