200909 彼岸花咲くローカル鉄道−樽見鉄道−

 岐阜県図書館まで片道37qを自転車で走る。いつもなら一眼レフを担いで走るのだが、貸出を受ける図書が多いため断念。というわけで何年かぶりにコンパクトデジタルカメラ IXY DIGITAL 400を持ち出した。もう7年近く前に購入した機種だ。
 初代 IXY DIGITAL の画質は良くなかった。見た目の解像感を出そうと、強い輪郭協調をかけたおかげで、近景のみならず遠景までまるで黒鉛筆で縁取りをしたような絵は、「写真」すなわち「真」を「写」したものとはとうてい言えなかった。しかし巷間ではスタイリッシュなカメラとしてもてはやされ、実際に売れた。
 IXY DIGITAL の画質がよくなったのは、2世代目の IXY DIGITAL 200 & 300 からではないか。前者は光学2倍ズーム、後者は3倍ズームを備えたものだった。撮像素子に1/2.5型200万画素CCDを採用する点は初代と同様だったが、輪郭協調は控えめとなった。そしてCCDサイズを大きくした3代目がこの IXY DIGITAL 400 だった。
 1/1.8型原色400万画素CCDを採用した機種で、画素ピッチに余裕のある撮像素子を採用したおかげで不自然な輪郭協調に頼る必要はなく、文字通り「写真」に近づいたカメラだった。バッテリーこそ持たないという欠点はあったし、絞り優先モードやシャッタースピード優先モードなどの凝った撮り方はできなかったが、A3サイズにプリントしてもびくともしなかった。この後、各カメラメーカーは画素数競争に入り、「画素数が多い」=「高画質」という「神話」を我々ユーザーは信じた。あるいは信じさせられた。今でもその延長線上にあるように思われる。しかし僕などは、1/1.8型400万画素CCDと2/3型500万画素CCDが、コンパクトデジタルカメラに最も相応しいと、今でも思っている。

 さて久しぶりに IXY DIGITAL 400 を使ってみて、遅いレスポンスはとても使い物にはならないかもしれないが、なかなかまともな画像を生成する。自然な遠近感は好感が持て、遠景にも無理な処理が施されていない。上の画像は、慣れた一眼レフのアスペクト比と同じになるようにトリミングしているが、それ以外は大きく手を加えてはいない。7年近く前のカメラで撮影した画像とは思えないのだが、どうだろうか。

 カメラの進化とはいったい何だろうか。改めて考えさせられる。