八方尾根と八方池
2004年6月13日
長野県白馬村黒菱林道から

アルペンロッジ岳都さんに泊まった翌日は、必ず早起きをして白馬鑓が見えるかどうか外へ出てみる。今日は雲は多いながらも望むことができ、雨は降らないだろうと胸をなで下ろす。ところで岳都さんの駐車場横にはクリンソウがまだ咲いていた。例年は己高山で見るクリンソウだが、今年は見そびれてしまい、ここで1枚(写真右)。
黒菱第3リフトは土日はすでに営業しているとのことで、林道を走らせる。牧場の牛たちはまだ麓の方にたむろしていて、林道を占拠してはいなかった。したがって、昨年車にしっかりとはりつき、その臭いに閉口した牛たちの落とし物も、幸いまだなし。駐車場に数台止まっているだけかと思ったら、何が何が。すでにたくさんの車が止まっていた。小さな鎌池にはミズバショウが咲き始めていた(8時49分、写真左)。八方尾根の上部には雲が漂っている(写真右)。
黒菱平へ着くと一面のガス(9時06分、写真左)。少しだけだが、小雨も降っている。昨日に続いて、カッパを着込む。しかし雨はこの後すぐにやんだが、肌寒い。写真左はゴンドラを乗ってきた人が次に乗り継いで登ってくるアルペンリフトの終点。さて、八方池山荘について早速尾根コースで歩き始める。木道コースはまだ雪の下で、通行止め。写真右はウスユキソウ。固有種のハッポウウスユキソウかもしれないが、門外漢のため不明(9時34分)。
写真左はワタスゲの花。尾根にはタテヤマリンドウが咲き始めていたが、まだ大部分はつぼみだった(写真右)。
写真左はアズマギク。いっぱい咲き誇っていた。写真右は三等三角点。点名は「八方」。標高1973.80mである。ガスが次から次へとわき上がってくるので、山岳写真はあきらめ、ひたすら花の写真に埋没。それにしてもたくさんの人が一眼レフ(しかもデジタルの)と三脚を抱えて、写真を撮っている。年齢層は中高年がほとんど。
写真左はユキワリソウが白色変異したもの。写真右はツマトリソウ。
コイワカガミもたくさん咲いていた(写真左)。チングルマの花はまだこれからといった感じで、咲ききっていないものが多かった(写真右)。
先が少しずつ晴れてきた。遠くに丸山が見える(写真左)。写真右はユキワリソウ。
息ケルンに着く頃になると、ずいぶん明るくなってきた(写真左)。ともかく花の写真に埋没状態なので、のんびり、のんびり。唐松岳へのビストンや今日中に五竜山荘へ着かねばという登山の時は、この辺はひたすら歩くだけなので、結構ハアハア状態なのだが、今日は全く疲れなし(当たり前か)。喘ぎながら登るはずの急登も、今日はすいすい。青空ものぞき始めた(写真右)。
向こうには白馬鑓が頭をのぞかせ始めた(写真左、右)。
八方池が見える所まで来ると、不帰ノ嶮が顔を出している。あわてて数カット撮影(写真左)。まだ雪が多く残っている。夏や秋に訪れた感じとはずいぶん違って、またおもしろい。八方池は周囲から少しずつ溶け始めていた。写真右はイワイチョウの花。
しばらくのんびりしてから、下山。写真左は往路気づかなかったマイズルソウの花。尾根からは八方池山荘と和田野が見え始めた(写真右、12時23分)。
写真左は八方池山荘横に咲いていたミヤマガラシ。林道終点の駐車場から雨飾山を望み、八方尾根を後にした(写真右)。

※昼近くになると唐松岳から下山する若者の登山者一行と出会った。尋ねると、今年は雪解けが早くて、主稜線はほとんど雪が見られないとのこと。3か所ほど雪渓が残っているが、早朝でなければアイゼンの必要もないだろう、ということだった。今朝は立山連峰が美しかったとの言葉に、ただうらやましかった。
※昨日の栂池自然園と猿倉に続いて、八方尾根からも掲示板へ携帯電話からリアルタイムで速報しました。見られなかった人へ、以下に採録です。

白馬報告 そのC 投稿者:wako  投稿日: 6月13日(日)13時13分59秒
朝8時半くらいに黒菱のリフトに乗りグラードクワットを乗り継ぎ八方尾根をトレッキングしてきました。寒かったので合羽をきて歩きました。時折姿を見せる山の写真を撮ったり花の写真を撮ったりとカメラも超多忙で、八方池山荘までもどるこの数時間だけで、カメラの電池の寿命がつきちゃった。にわかカメラウーマンもここまでで、こうなったら後はゆっくりビールとごはん。後はゆっくり降りてノンビリ帰ります。今度来る時は山の雪もかなり消え、この辺りも登山客で一杯かな。