石津御岳(629m)・多度山(403m)
2004年7月11日
岐阜県海津郡南濃町石津より


レリーフの等高線は20m。スケールの単位はm。

今日は夜叉ヶ池を経由して、ヤブ山で名高い三国岳へ登ろうと考えていた。朝起きてみると、激しい雨と雷にびっくり。ネットでレーダー画像を見ると、敦賀湾方面から揖斐谷へ向かって次々と雨雲が押し寄せている。これではとても登山どころではないと、計画を変更。朝はのんびりして、雨雲がかかってこない南の山へ変更。養老山地の南部、石津御岳に決定。登山口スタートが9時08分(写真左)。今日のテーマは、1)夏の小屋泊まり縦走に備えて、45リットルザックを久しぶりに背負うこと、2)デジタルカメラを携行し、その使い勝手とバッテリーの持ちを確認すること、3)バッテリー駆動のストレージを携帯し、データの移動とバッテリー残量を確認すること。登山口には「いしづ里山公園案内図」なる看板が立てられていた。そういえば、昨年9月に工事が始まっていたことを思い出す(写真右)。
御岳道への入口は前と変わらなかったが(写真左)、すぐに昨年作られた階段が現れた(写真右)。階段は歩幅を規制されるため、前の方がずっと歩きやすかった。これは誰しも思うことだろう。これが「整備」かどうか、疑問である。
日差しは怖ろしく強いが、意外なことに涼しい北風が吹いている。写真の真夏の道とはかけ離れた、涼しさである。
9時45分、観望台なるウッドデッキが現れる(写真左)。確かにここからの見晴らしはいいだろうが、作られて1年もたたないのに夏草に埋もれようとしていた(写真左)。観望台を過ぎると、ブルドーザーで無理矢理着けられた道が現れた。かつての御岳道が採石によって通れなくなったため、これを迂回するために付けられた道であるが、ここにも階段が付けられていた(写真右)。階段に向こうは抜けるような青空だった。
五合目の石柱で今日最初の1本を立てる。かなたに山頂方面が見える(写真左)。南を遠望すると、木曽三川の合流点付近が見える(写真右)。駐車場には2台の車が止まっていたが、ここまでにもう2組の人が下りてくるのにすれ違った。夏の石津御岳は暑いというイメージから、早朝から登ったのだろう。
採石のための迂回路を過ぎて、尾根に取り付くと、本来の登山道に至る(10時19分、写真左)。御岳信仰の山であることがわかる。ここから、やっと気持ちの良い本来の登山道に変わる(写真右)。
途中の三角点を過ぎて、しばらく登ると山頂に到着(10時48分、写真左)。やはり誰もいない。山頂にも涼しい風が吹き抜けていた。ここで至福のひととき。ここまでに撮影したデータ量は250MBほど。ここで持参のストレージ(写真右)にデータを移動。バッテリーのフル充電で公称256MBを6〜7枚転送できることになっている。保存は問題なく完了したが、バッテリー表示が半分に減っている。おやおや、と思ったが、この先でもう一度ほぼ同じデータ量を転送した時には、表示は元に戻っていた。今日は計500MBを2回に分けて、無事保存することができた。この後、真夏の山で湯を沸かし、ラーメンを食べたが、実においしかった。
はじめはこのまま下山しようと考えていたが、食事中に登ってきた登山者が、これから多度山へ縦走するという。朝、多度山の駐車場へ車を置いて、電車で石津駅まで来たとのこと。前から何度か考えていたが、いい機会である。当方も多度山へ縦走することとする。11時44分、山頂を出発。石津への下山路と多度山への登山道の分岐を多度山へとってしばらく歩くと、突然けたたましいオートバイの音がして後ろから2台が追い越していった。マウンテンバイクである。自転車は何度かすれ違ったが、オートバイも走っているのだ。石津御岳へ来るようになって相当になるが、おかげで登山道がどんどん荒れている、と思う。荒れ方は多度山への縦走路の方がひどかった。バイクで無理矢理登坂するわけだから、タイヤが次々と石を掘り起こしている。
途中、吉田からの旧来の登山道へ少し入ってみると、荒れた祠があった。25000分の1地形図には道が記されているが、ここから下は踏み跡はほとんどなかった(写真左)。祠から多度山縦走路へ戻る(写真右)。
林道に出ると、突然NTT-Docomoの大鉄塔が現れた(12時00分、写真左)。その大きさに驚く。鉄塔を巻いて林道を進むと、パラグライダーの出発点が現れた。以前は飛んでいるのをよく見たが、今でも利用する人はいるのだろうか(写真右)。
12時16分、林道を離れて本来の縦走路を示す標識に従い、登山道に入る(写真左)。縦走路は基本的には県境につけられているが、深く掘り込まれた部分もある(写真右)。ここでもバイクの爪痕が痛々しい。
あまり眺望のきかない道を、これでもか、これでもかと、いやになるほど歩いて、ようやく多度山の林道に着いた(13時11分、写真左)。看板の「本当に」を見て笑ってしまったが、この先にもう一つ通行止めのバリケードがあった(写真右)。このバリケードをどけても進入する車があるということなのだろう。
13時21分、多度山山上の鉄塔(写真右)。鉄塔前の林道から、濃尾平野を望む(13時25分、写真右)。木曽三川公園が直下に見える。
本当にいやというほど林道を歩いて、とうとう多度山上公園に着く(13時33分、写真左)。ここから「健脚者向けコース」と案内板にある道がわからなかったため、林道(というか、車も通行できるハイキングコース)を歩いて下山。ハイキングコースはぐねぐね迂回しながら下りるため、歩けど、歩けど、標高が下がらない。麓の駐車場に着いたのはなんと14時24分だった(写真右)。
写真左は麓の宇賀神社越しに見た多度山(14時33分)。持参した水はあとペットボトル1本ぐらい余っているが、自販機で冷たい飲料を買おうかと思ったが、電車の本数を考えて断念する。これが正解で、なんとこの時間は1時間に1本しかなかった。近鉄多度駅着が14時42分。大垣行きの発車が14時51分だった。これを逃すと、次は15時21分発。あぶない、あぶない。近鉄に乗って2駅目の石津駅に到着。駅から登山口の駐車場まで登り返す。これがつらいかと思ったが、思いの外あっけなく着いた。写真右は今回初めて下車した石津駅。駐車場着が15時22分だった。

※このHPではルート図は断りがない限り、すべて同一のスケールで表示してある。他の山と比べて、さほどでもない標高差に対して、ルートの長いこと、長いこと。近鉄電車2駅分しっかり、しかも山上を歩いたことになる。帰りの電車の車窓から眺めても、その長さに我ながら驚いた。縦走路で出会った登山者はわずか1組だけだった。さて、今回のテーマであるが、久しぶりのザックはまずまず。少し歩き出すと、その感触がよみがえってきた。ただし、夏の縦走に比べて重量はずっと少ないことは割り引かねばならない。ついで新しいデジタルカメラの操作にも、ようやく慣れてきたかな、という感じ。HPの画像からはわかりにくいだろうが、素直な描写に満足、満足。この分ならバッテリーも1GBぐらいの撮影ならば、十分に持ちそうである。最後にストレージも充分目的を達した。用意した衝撃緩衝パックも有効で、本格的な活躍を期待してしまいそうである。ちなみに今回持参のデジタルカメラはPanasonicDMC-LC1。ストレージは飛鳥のTripperで20GBのハードディスクである。