花房山(1189.5m)
2004年6月5日
岐阜県揖斐郡春日村古屋より


レリーフの等高線は20m。スケールの単位はm。
明日には梅雨入りという予報がウソのように晴れ渡った。空気は乾いていて、青空が澄んでいる。今年初めて、伊吹北尾根へ登ることにした。いつものように春日村さざれ石公園から農道を終点まで車で上る。終点の駐車スペースにはすでに何台もの車が止まっていて、すでにたくさんの人が登り始めているらしい。8時52分、出発。写真左は駐車スペースから登山道を見る。農地周辺にはクサフジが花を付けている(写真右)。
それにしても、日差しは強いが空気は乾いていて、実にさわやかである。この登山道は好きな道の一つだが、稜線に出るまでは風が吹かない、暑い道である。ところが今日はさわやかな登山道。登り始めてしばらくすると、伊吹山ドライブウエイが見え始める(写真左)。登山道は写真右の稜線鞍部へとジグザグについている。
しばらくすると樹林帯に入る。春の花は終わってしまっているが、周辺には初夏から夏にかけての花が見られる。樹林帯に入ったところで、今日始めての休憩とする(9時18分、写真右)。今日は伊吹北尾根のほんのさわりまでの登山。主目的は初夏の花。一眼レフのデジタルカメラと三脚を片手に登山。
登山道のさまざまな花。ヒトリシズカもこんなに大きくなってしまっている(写真右)。
三脚を立てながら、ゆっくり写真を撮りながらの登山。おまけにさわやかで、汗もかかない。これはどうしたことだ。ただ、ただ暑いこの道が、まるで別の道に見えてくる。10時01分、中山間整備事業でつけられた農道と、遠くに養老山塊を遠望する。遠くからこられた人だろう、あの山は賤ヶ岳ですか、と聞かれて驚いてしまった。こちらはまだ岐阜県である。すべりやすい稜線への道を上る(写真右)。
10時19分、北尾根鞍部への巻き道から御座峰と国見岳など北尾根の山々を見る。山肌を削った国見峠は痛々しい(写真左)。巻き道は石灰岩の礫が集積していて、そこにたくさんのヒメフウロが咲き始めていた(写真右)。小さなヒメフウロは強い風に揺られて、撮影しにくいが、ここは覚悟を決めてじっくりと撮影。いうまでもなく、好石灰岩質の植物で、伊吹山の他四国の剣山など分布は限られている植物である。
巻き道にはイブキガラシも咲き始めていた(写真左)。フウロの仲間で一番最初に花を付けるグンナイフウロ(写真右)。今年は登山時期が遅くて出会えないかと心配したが、今年も出迎えてくれた。
じっくりと時間をとって巻き道で撮影した後、北尾根鞍部で腹ごしらえ。いつもなら汗だくで着替え必死なのだが、今日はその必要はない。あまりにも快適で、消費カロリーに対して摂取カロリーの方が多すぎるようなので、静馬ヶ原まで登ることにした。写真左は静馬ヶ原への登山道から鞍部とドライブウエイを見下ろす(11時44分)。写真右は静馬ヶ原から北尾根の山々とその向こうの山々を遠望する。
写真左は伊吹山山頂。ドライブウエイは満車状態で、駐車場へ入ろうとする車が数珠繋ぎになっていた。鞍部に下りたって、小さなミミナグサを見つける(12時07分、写真右)。
巻き道を戻りながら、ヒヨクソウを撮影(写真右)。巻き道でもう一度三脚をすえてヒメフウロの撮影に挑戦。そうこうしているうちに、浜松から来たという14人の団体さんとすれ違う。写真右はすれ違った団体さんを見送る。団体さんの一人が私の腰に付いていた蚊取り線香を指さして、それは何かと聞かれた。虫がきらいなんですね、と言葉を残して過ぎていったが、このあたりの山々の春から初夏にかけての虫のすごさといったら、と思いながらも、今日のさわやかさでは虫も出てこなかったわけである。のんびりと駐車スペースに下り立ったのが13時20分だった。
※伊吹北尾根縦走路は大垣山岳協会の尽力によって開かれた道である。近年は岐阜県春日村と滋賀県伊吹町によって維持管理がなされて、両自治体共同主催によるハイキングも行われてきたが、広域合併を控えてこれもすでに中止されるにいたった。「静馬ヶ原」は縦走路開設に際して、大垣山岳協会によって命名された俗称であるが、すでに山岳ガイドにも記されるようになった地名の一つである。ずいぶん遠方からマイクロバスや観光バスをしたてて登山者が訪れるが、伊吹山ドライブウエイの途中で下りて縦走路に入り、バスは国見峠へ向かうという形や、あるいはこの逆が多いようだ。しかし今日歩いたこのルートで北尾根へ入ることを、ぜひおすすめめしたいと思う。