己高山(923m)
2004年4月24日
岐阜県揖斐郡久瀬村小津より


レリーフの等高線は20m。スケールの単位はm。
今回はこの前、行こうかどうしようかと悩んだ末、断念した小津権現山。言ってみれば、自宅の裏山なのだが、季節の巡り合わせの悪さからか、ともかく暑いという印象しかないこの山。今日の天気予報は、季節はずれの冬型で、標高の高いところでは雪になるという。これならば暑いということもあるまい。家から20分車を走らせ、一昨年決壊後に修復された林道終点に到着。車はないと思ったら、すでに1台が、そしてまもなくもう1台が、その後すぐに6名ほどを載せたワゴン車がやってきた。7時22分、駐車場を出発。登山道を歩き始めると、少しばかり日も差してきた(写真右)。森林は新緑一色。空気は冷たく、風も強いが心地よい。
北から次々と雲が流れて、高屋山直前になっていきなりパラパラと音がし始める。時雨かと思ったが、その割りには葉や地面が濡れていないので、目をこらすとこれが「あられ」。天気予報は正しかったというべきか。ユキザサやニシキゴロモなどの花にも目を奪われがちになるが、今日は先を急いで高屋山に到着(8時25分、写真左)。ここで小休止。最初の尾根歩きでペースをつかんだせいか、はたまた低い気温のせいか、かなりいいペースでここまで来たことになる。高屋山を過ぎ標高を上げると、登山道はまだ浅い新緑の道へと変わる(写真右)。
「あられ」も一段落し、空には少しずつ青空も見えだした。今年3回目のイワウチワの花とのご対面(写真左)。もう盛りを過ぎかかってはいたが、それでもまだたくさん花を付けていた。高屋山を過ぎると前衛峰が見える(8時40分、写真右)。最初に来たときはこれを小津権現山山頂と見間違え、そこに登ってがっくりきたものだ。
写真左は高屋山から前衛峰への登山道。まだ緑が芽吹き始めたばかりだ(8時46分)。やせ尾根から杉谷を見下ろす(8時48分、写真右)。
イカリソウもたくさん咲いていた。連休にはたぶんもう見られないと思うと、やはり写真を撮ってしまう(写真左)。前衛峰を過ぎて、山頂を見る(9時01分、写真右)。ここから一度尾根を下り、登り返して山頂である。
前衛峰から山頂に至る登山道より、谷筋を見下ろす(写真左)。山頂を目前にして、横殴りの雪が降り始めた。涼しいのを通り越して寒い1日となってしまった。9時22分、山頂着。山頂には白山神社の祠がある(写真右)。雪は相変わらず降っているが、それでもアンダーシャツは汗をかいていた。雪をよけながら、シャツを着替えると、いつの間にか雪はやんでいた。
せっかく持って行ったカップラーメンだが、時間も早いため食べようという気にはならない。その代わりに、湯を沸かしてコーヒーを一杯、そしてもう一杯。至福の時だ。次から次へと雪雲が押し寄せていたが、それも少しずつ少なくなり、花房山が顔を出し始めた(写真左)。遠くには屏風山の望むことができる。写真右は顔を出した能郷白山。まだしっかりと雪がある。1時間ほど山頂で過ごすうちに、ワゴン車の年配の6人グループも到着。そのうちの一人などは、暑い暑いとシャツ一枚での登山にはびっくり。10時36分、山頂を出発し下山。
帰路は往路に充分撮れなかった花の写真をとりながら、のんびりと下山。写真左は往路に見逃したシャクナゲと前衛峰。写真右はニシキゴロモ。次第に日差しが強くなってきた登山道を下り、駐車場着が12時06分だった。駐車場は15〜6台の車で満車状態だった。
※暑い、暑いという印象しかなかった小津権現山だが、今日の気温のせいか快適な山行きだった。戻ってきて仲間にそのことを話すと信じられない、という。冬が再来したようなこの日、小津権現山は静かに登山者を出迎えてくれた。