金華山(330m)
2004年4月10日
岐阜県山県市夏坂谷林道より


レリーフの等高線は20m。スケールの単位はm。
今日の山行きは小津権現山か舟伏山かと迷ったあげく、舟伏山に決定。小津権現山却下の理由は、暑そうだから。数年ごとに登っている小津権現山はともかく暑いという印象しかない。今日の最高気温予想は25度。従って、舟伏山と決定。今日はお花見登山兼お昼寝登山という目論み。いつもの通りの時刻に出発し、今は山県市となった旧美山町の夏坂谷林道へ入ろうとすると、「崩落のため全面通行止め」の案内板。林道入口の狭いスペースにはぎっしりと車が駐車してあった。崩落現場手前の空き地に駐車しようと林道を少しはいると、崩落手前に臨時駐車場ができていた。もう止めようもないほどたくさんの車が駐車していた。そこから丸木橋を渡り崩落を迂回して林道に出る。臨時駐車場出発が9時28分。写真左は丸木橋。右は崩落現場。
林道を歩いて、あいの森駐車場に着いたのが9時44分。当然のことながらひっそりとしている。登山届けを提出して、いつものルートで9時51分に登山開始。しばらく歩くと、樹間から舟伏山が見えてくる(写真右)。空は青く、春の空とは思えない。登山道脇にはミヤマカタバミの群落があり、たくさんの花をつけている。光線の加減で撮影は帰路とする。これで帰路は小舟伏山経由ではなく往路を戻ることに決定。
登山道はやがて尾根に出る。いつもなら新緑が我々を出迎えてくれる所だが、今回は例年より2週間以上早い訪問である。まだ芽吹き始めたという状態だった(10時34分、写真左)。さくら峠到着が10時40分(写真右)。ここで今日初めての1本。
さくら峠の石仏の前には1輪のカタクリの花が咲いていた(写真左)。登山道横にカタクリの葉が出始めた所で、ようやく咲き始めたという所。まだ2週間は早い。さくら峠を出発し、みのわ平への登山道から山並みを遠望する(写真右)。どこまでも抜けるような青空が広がっている。
いくつものカタクリの花を見つけるが、崖に咲いていてなかなか撮れない。写真左はみのわ平手前で撮影したカタクリ。気温が高いため、花弁が反り返っている。ゴールデンウイークの頃には新緑で覆われる登山道も今はまだ(写真右)。みのわ平にはいく人かの登山者が休憩していた。山頂は人が多そうだ。それにしても、暑い。風はさわやかだが、日差しは強烈。
登山道脇には少しずつ花が咲き始めていた。ニリンソウはまだ葉が手始めた所で、つぼみもなかった。写真左はエイザンスミレ。写真右は文字通り1輪だけ見つけたイチリンソウ。
石灰岩の岩盤には、今年もイワザクラと出会うことができた(写真左)。いうまでもなく絶滅危惧種であり、ここに画像を公開することもためらわれないわけではないが、すでに多く知られている事実でもあるため公開する。日本列島全体で数は激減している。ようやくつぼみから花が開こうとしている様子がわかる。またヤマルリソウも少しずつ咲き始めていた(写真右)。
山頂に続く稜線にはまだ雪が残っていた。山頂着は12時07分。山頂にはたくさんの登山者がいたが、1団体さんは山頂から小舟伏へ下りようとしていた。山頂一帯に咲き誇るカタクリは、まだようやく葉が出始めた所だ。ここで昼食と決め込むと、次から次へと人が登ってきた。10人ほどのグループはにぎやかな宴、というよりも宴会を始め、そのうるさいことうるさいこと。ようやく出発して静かになると隣の中高年の女性ばかりの4人グループから「うるさかったね。」との声。誰しも思うことは同じだと思ったら、今度はこの4人が大声で話を始めた。山行経験もかなりあるようだが、同じ山岳会の仲間の悪口を次から次へと大きな声で話し始め、こちらは閉口。お昼寝どころではない。お昼寝登山の選定を誤ったといえばそれまでだか、他山の石としよう。
山頂に少しだけ咲いていたキクザキイチゲ(写真左)。舟伏山で見るのは初めてだが、いつもよりも早く訪れたから出会えたのだろう。山頂から能郷白山を見る(写真右)。北方面には大展望が広がっていた。13時56分山頂を出発。
帰路は往路を戻る。行きに見過ごしたり、撮れなかった花をゆっくり撮りながら下山。写真左はようやく咲き始めたヒトリシズカ。ヒトリシズカがツクシのように生えてくるところも初めて見た。写真右はさくら峠から少し下りたところのマムシグサ。
往路に撮れなかったミヤマカタバミ(写真左)を撮影して、あいの森駐車場へ下りたのが15時58分。あとは林道を下って、臨時駐車場へ着いたのが16時22分だった。写真右は林道横に咲いていたボタンネコノメソウ。岐阜県以西の日本海側に分布するというが、多雪のため舟伏山にも分布しているのだろう。たくさんの花に出会えたことに感謝。
※これほどのたくさんの登山者、というより観光地状態の舟伏山に今もイワザクラが見られることは奇跡のようにも思えてくる。環境省のレッドデータブックに掲載されているイワザクラがいつまでも見られるように願わざるを得ない。山頂はゴミが多かった。年々増えている。いつものようにゴミを拾って下山したが、我々が山へ入らせてもらっているという思いは忘れたくないものだ。ところで今日の最高気温は岐阜市で27度とか。暑かったはずだ。小津権現山にしなくて、よかった、よかった。