金華山(330m)
2004年1月31より
岐阜市雄総松尾池より

今日は風が強いが日差しは暖か。朝のんびりしたので今日は近場と、久しぶりに百々ヶ峰を歩くことにする。記録を調べてみると、この前歩いたのは1999年2月のことだから、5年ぶりとなる。雄総を過ぎて松尾池へと車を走らせ、手前の林道横の空き地に駐車する。松尾池堰堤やそこかしこにはすでに車がいっぱい。たくさんの人が訪れていることだろう。松尾池を出発したのが11時59分。もうお昼だ(写真左)。池には鵜や鴨があちこちに姿を見せていた。岩舟渓谷は日差しがまだらとなっているため、写真が撮りにくい。ここは帰りにゆっくりと撮ることにして、林道を歩いて東海自然歩道の登山路に入る(12時17分、写真右)。
気持ちのいいしばらく林間を歩くと稜線に出る(12時31分、写真左)。白山展望台と呼ばれている所だ。稜線に出て、びっくり(写真右)。そこは公園と化していた。以前訪れた時にも林道はあったが、それが柳ヶ瀬並みに着色舗装されている。その横はこれは公園としか呼びようがないほどに整備されていた。なんでもこのおかげで救急車が入ってこられるようになったとか、ここにはバスもやってくるらしいとか、ここを訪れた人たちが会話をしていた。遠望すると御嶽山がうっすらと見えるが、ちょっと霞んでいる。加賀白山は見えない。午後の方が空気が澄んでくるかもしれないと、気を取り直して樹間の旧道を歩く。幸いなことに旧道はそのまま残されている。
管理用道路の横には尾根を歩く旧道がそのまま残っている(写真左)。途中には祠があり、この山が白山信仰と深い関わりがあったことを伺わせている。しばらく登ると、権現山山頂に到着(12時50分、写真右)。山頂は樹木に覆われていて眺望は全くないが、権現山の名の通り本来は加賀白山を望むことができるのだろう。
さてここから鉄塔巡視道としてあちこちに見られるプラスチック製の急階段を下ると、管理用道路が付けられた鞍部に下りる。なんとここにはトイレまでも設けられていた(12時53分、写真左)。トイレは泡洗浄式で、昔ながらのポンプ式井戸があったが、これは故障中とあった。さてここから急登の登り返しで百々ヶ峰山頂に向かう、はずだったのだが、なんとこれまた迂回路としてハイキング道が整備されていた。かつては尾根を一直線に登る、結構滑りやすい道だったが、今では要所要所には危険防止のための手すりまでつけられている。きっと山頂も昔の面影はないのたろうと思いながら着いてみると、唖然(13時08分、写真右)。山頂は公園だった。かつては樹木に覆われていてほとんど眺望もなかったが、今では切り払われたばかりか、木星のとんでもない展望台まで設けられていた。そこまでする必要があるのかと、少々首をかしげてしまうほどの変わりようだった。
山頂の三等三角点(写真左)。国土地理院の「点の記」によると点名は百々峰で標高は417.94m。所在地は岐阜市長良字岩舟瀧ノ上3596−2となっている。写真右は山頂より眺めた金華山。
山頂はあまりにも人が多いため、さらに尾根を歩いて百々ヶ峰西峰に向かう。やはり尾根上につけられた旧道だけでなく、山を削ったハイキング道が付けられている。誰でも簡単に歩ける山になった、ということなのだろう。しかし山頂とちがって西峰へはあまり人も来ないらしく、静かな山歩きである。西峰到着は13時36分(写真左)。ここには四等三角点が埋設されている。「点の記」によると点名は下岩崎で標高341.49m。所在地は岐阜市栗野末洞山2445−3番地となっている。西峰山頂からさらに尾根を西へ行くと、大きな反射板が2基立っている(13時41分、写真右)。ここで大休止を決め込む。
反射板のある所からは眼下が一望できる。写真左は長良川と金華山。かつてこの南斜面が山林火災のため丸裸となったが、今ではボランティアなどによる植林が行われている。岐阜さくらの会のプレートも見られた。ここから西を見ると、遠くに小津権現山が白く頂を輝かせていた(写真右)。火事に注意、注意と、心に言い聞かせ、湯を沸かしてコーヒーを一杯。実においしい。この一杯のために歩いてきたようなものだ。おまけに誰もここには来ない。
14時10分、反射板を離れ帰路につく。帰路は管理用道路に出て、これを歩いてみる。しかし山陰では先日の雪が氷となってびっしり貼り付いていて、なかなかやっかいだった。途中の尾根から東を見ると、往路では霞んでいた御嶽山やその左には乗鞍岳までがくっきりと姿を見せていた(写真左)。白山展望台着が15時04分。ここから白山方面を見ると、高賀山の左の稜線鞍部に白い山並みがわずかに顔を出している。加賀白山だ(写真右)。往路では見られなかっただけに、今日は幸運だ。
ここから往路を戻ったが、途中から岩舟渓谷沿いに下山する。途中の萩の滝は二段に流れる滝で、写真左はその下段の滝。渇水期にも水量は抱負で、まるで深山の趣がある。松尾池に着いたのが15時37分だった(写真右)。静かなたたずまいは、ここが岐阜市であることを忘れさせてくれた。
※白山展望台から加賀白山が見られたことから、帰ってきてからソフト「カシミール」と国土地理院50メートルメッシュ数値地図を使って可視マップを作成してチェックしてみた。ざっと計算しただけだが、百々ヶ峰や権現山からは加賀白山を眺望することはできるが、西峰からは眺望できないようだ。権現山の名称が百々ヶ峰山頂より東のピークに付けられていることから、こちらの方が微妙な山の稜線の隙間をぬってより眺望に向いている、ということだろうか。なお、25000分の1地形図上には西峰に百々ヶ峰と表示されている。また白山展望台の正確な国土座標が知りたい。地形図からざっとは計算できるだろうが、正確にはGPSに頼るしかなさそうで、こんな時に持っていると便利かなぁと思った次第。