2003年10月26日
岐阜県山県市(旧美山町)神崎あいの森より

10月も終わりになって、ようやく秋らしい好天が続くようになった。先週は呉枯ノ峰で低山ののんびり登山を楽しんだので、今週ものんびりとお昼寝ができる山、ということで春に続いて舟伏山に決定。揖斐を7時30分に出発。山県市といってもまだ美山町といった方がなじみがある、見慣れた山間を抜けて神崎川に沿って車を走らせる。目の前には真っ青な空に浮かぶ舟伏山が(8時53分、写真左)。舟伏山には春に登ることが多いが、なんといっても数珠繋ぎに近い混雑ぶりに辟易してしまう。観光バスを連ねたツアーに出会ったこともあった。今日もなんだか不安ではある。前に秋に来たときはそれほどでもなかったので、まあ、春みたいなことはないだろう。夏坂谷林道を車を走らせ、終点のあいの森駐車場に着く。一番下の駐車スペースは車でいっぱい。やれやれ。まあ念のために上も見るか、とさらに上がっていくとなんと車は広い駐車スペースに数台しかとまっていなかった。こんなこともあるものだ。登山届けを提出して、9時11分に登山口を登り始める(写真右)。
しばらく植林の山腹をジグザグに登って高度を稼ぐと尾根に出る(9時47分、写真左)。緑からの木漏れ日を見ていると、季節感を失いそうになる。ここはまだ夏の名残に覆われている。尾根伝いに登山道を歩いて桜峠に到着(9時55分、写真右)。ここでしばらくの大休止を決め込むが、下の方から若者らしい声が聞こえてきて、せかされるように出発する。どうやら我々が登り始めた頃に駐車場に車を連ねてきた、若者の一団らしい。
10時24分、みのわ平着。例によってここでも一服。ここからあたりに紅葉が始まっている。上の2枚は道々での紅葉寸景。左はトチノキ。右はシロモジ。緑の葉のトチノキは、その縁がようやく色づき始めている。シロモジは今まさに黄色に染まろうとしていた。
左は山頂から伸びる尾根上の紅葉。真っ青な空とのコントラストが美しい。ぼつぼつ歩いて11時21分に山頂に到着。山頂は数グループが宴たけなわだったが、それでも春と比べると実に広々している。とはいっても、登山者はどんどん登ってきて、それなりに頂はにぎやかになっていった。ボランティアのグループだという若者の一団は、まさに普段着といった感じである。わいわいとにぎやかだが、我々はぽかぽか陽気に、昼寝を決め込む。
左は山頂の紅葉した樹木。右は山頂から見た能郷白山。そういえば、ここ数年能郷白山ともご無沙汰である。根尾村能郷から温見峠までの道が災害復旧のための工事閉鎖が続いていて、今年も行かずじまい。右の写真には写っていないが、荒島岳が見えるのには驚いた。モノキュラーで覗くと、荒島岳山頂の大きな反射板までよく見える。
のんびりした時間を過ごすと、若者の一団もいつの間にかいなくなって静かな山頂に戻っていた。さて、どちらから下山するかとひとしきり考えたあげく、時間の短い小舟伏経由の下山路を選ぶ。13時14分山頂発。写真左は静けさの戻った山頂。下山路は東斜面になるため、日陰に入っている。日向の明るさとは対照的に日陰はもう夕方を思わせるほどの薄暗さだ。14時43分、下山。駐車場にはほとんど車はいなくなっていた(写真右)。今度来るのは来春と、名残を惜しみながら帰路についた。

※いつもたずねるHPを見ていると、我々の舟伏山登山の前日に夜叉ヶ池への山行記録が掲載されていた。それによると、その日は400人の銀座状態で、おそらく明日もひどい混雑だろうと書かれていた。実は我々も近場中の近場である夜叉ヶ池を考えなかったわけでもないが、多分込むだろうと行く先を変更した次第。それにしても400人とは、恐ろしや、恐ろしや。HPでも心配されていたが、池周辺でバーベキューをする人などを見かけるにつれ、ヤシャゲンゴロウなどの生態を、やはり心配してしまう。夜叉ヶ池に比べて、実にのんびりした1日を送ることができ感謝、である。